むすんで、ひらいて、恋をして
「ま、アリスが男と一緒に昼飯食ってたら、間違えなく大騒ぎになるだろうな」



「莉生こそ、大変なことになるでしょ! でもさ、姉弟でお昼とか、私たち哀れ!」



「俺は、べつに寂しくない」



つうか、叫び出したいくらい嬉しいし。



「私も、ここでお昼食べられるのはすごく嬉しいよ。ここ、本当に気持ちいいよねっ」



隣に座ったアリスが、穏やかな風に目を細める。



「な、いいだろ」



「今日は、夕方から雨ふるって天気予報で言ってたけど、嘘みたいに晴れてるね」



「ん、めちゃいい天気」



高く晴れ渡る青空を仰いで、アリスが大きく息をすう。



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