むすんで、ひらいて、恋をして
ひとけのない薄暗い公園にさしかかると、うしろを歩くその人との距離が縮まった。



莉生に電話をならそうとスマホを握りしめたそのとき。



「ねえ、キミさあ」



振り向いた瞬間、その人の腕がにょきっと伸びてきた!



ひゅっと息をのむと。



「なにか?」



頭上で響いた、低い声。



見知らぬその人の腕を払うようにして、私の肩を片腕でくるんだのは。




「………莉生?」



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