むすんで、ひらいて、恋をして
結局、その日は気まずいまま、夕飯を食べ終えた。



翌朝も、なんとなくアリスとギクシャクしたまま、家をでた。



アリスの母さんもうちの親父も、とくに気が付いてはなかったけど。



アリスの様子もどこか、いつもと違っていて、おかしかった。



家を出て、しばらく歩いてぴたりと足を止める。



目の前には、派手なメイクに強い香水の香りをただよわせている蛭沼花音。



「水島くん、おはよっ。花音、会いたくなってきちゃった♡ えへ♡」



すっかり蛭沼の存在を忘れてた。



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