なないろ。-short stories-




「ごめん、大丈夫だった?」

「いえっ、あのっ、ありがとう、ございます。助かりました」

そう言って笑った彼女を見て、息が、止まった。

垂れぎみの二重の目に涙に濡れた長いまつげ、桜色の唇、陶器みたいに白い肌。

色素薄めのツインテールが風にふわっと揺れて。そして何より大輪の花が咲くような笑顔。

全てが自分にとって、どうしようもなく、天使に見えた。


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