未来の種ーafter storyー
「あ、あの、泣いてない…泣いてないです…」

赤ちゃんって、出てきたらすぐに泣くんだよね⁉︎ どうして泣かないの⁉︎

「美衣子待って!」

赤ちゃんは用意されていた台の上に置かれたのが見える。
嘘でしょう? 
元気に育ってたのよね?
心配で心配で、首を上げてひたすら台を見つめた。

一瞬の静寂が、永遠のように感じる。

昇平が赤ちゃんの口に、細い管のようなものを入れた瞬間

「…フ、ギャァー、フギャー!」

と、びっくりするくらい大きな泣き声が聞こえた。

「な、泣いた…泣いたよ、泣いた〜〜」

良かった! 良かった! 
すっごく大きな泣き声だ。

「ふぅ……もう大丈夫。美衣子、元気な男の子だ。」

「美衣子さん、おめでとう!」

「あ、ありがとうございます…」

無事に産まれた。もう感動で涙が止まらない。

「赤ちゃん、測定するからちょっと待ってね。拭いたらカンガルーケアも出来るから。
じゃあ後を綺麗にしましょう。」

まだまだ大きな声で泣き続ける息子は、奥の部屋へと連れて行かれた。

その後胎盤を取り出し、子宮を洗い、お腹は閉じられた。興奮状態だったからか、殆ど時間の経過を感じなかった。
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