未来の種ーafter storyー
「ちょ、ちょっと待って! 心の準備が…」

「大丈夫。右の手のひらをこうして…そう。……はい、首はグラグラだから、右手でしっかり支えてね。そうそう。上手だよ。今みたいに、首と頭をしっかり支えてあげたら大丈夫だから。」

うわっ! うわーっ! 軽いっ!
それにめちゃくちゃ柔らかい!

「良かったねぇ。
やっとパパに抱っこしてもらえたねぇ。」

「そ、奏? …パパだよ。わかるか?」

すると、それまで寝ていた奏がぱちっと目を開けた。

「あ、起きた!」

「パパの声に反応したのかな。」

「まだ見えていないんだよな?」

「うん。光は感じるって。
……でも、見えてるみたいだね。」

じーっと俺を見る息子。
なんだろう…。ドキドキする。
本当に俺と同じ瞳の色だ。

しばらく見ていたけど、飽きたのか大きなあくびをして眠ってしまった。
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