保健室で、君と最後のキス
「莉奈、相当好きなんだね」
「そっちこそ」
玄関で靴を履き替えながら、意外な共通点にふたりで笑いあう。
すごく楽しい時間でもっと話していたい気持ちになった。
だけど…
「じゃあ俺こっちだから」
八神くんが指さす方向は教室とは真逆の廊下。
「うん、分かった」
一緒に教室までは行けないんだよね…。
少し名残惜しい気持ちを残しつつ、私は教室へと続く廊下へ足を踏み出した。
「莉奈」
八神くんに名前を呼ばれ、振り返る。
「今日も来てよ」
玄関の大きな窓の隙間から入る光に照らされた八神くんは、繊細で儚い笑みを浮かべてるように見えた。
思わず見惚れてしまうようなその姿に、私はドキッと胸が高鳴る。
「…放課後、遊びに行くから」
鞄の持ち手を握りながら、一言だけポツリと呟くと私はすぐに向きを変えて歩き出した。
後ろで、やった と八神くんが言った気がした。
