LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました
なっちゃんが来て、けっこう時間が経った頃。



「成瀬遥さんのご家族の方ですか?」



私達に近付きそう言った男性は、看護師さんではなく、
医者に見えた。


家族ではない私は、何も言えず。



「遥は?
遥は大丈夫なんですか?」



なっちゃんは、その医師に詰め寄るように訊いていた。



その顔は、涙でボロボロで。



「とりあえず、手術は成功しました。
ただ、まだ意識が戻らない状態で、一命を取り留めたものの、まだ安心出来る状態ではないです」


その医者の言葉は、ほんの少しだけ安心させてくれた。



まだ成瀬は生きているのだと。


だけど、それ以上に不安が残る。



なっちゃんもそうなのか、さらに涙を流している。


私も、もし成瀬が死んだら、とその怖さで、ずっと涙が止まらない。



それはボロボロ流れるのではなく、
つー、と両目から静かにずっと流れている。


手で拭いても拭いても、それは止まらない。



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