LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました
この家を出る用意は、
事前にしていたからすぐに終わった。


テーブルの上に、篤から貰ったあのネックレスを外して置いた。


約、3ヶ月。


篤と付き合っていた時間は、
本当に夢を見ているみたいに幸せだった。



篤は私が別れを切り出したら、

それ程私を追い掛けないと思っていたけど、思っていた通りだった。


別に篤に愛されていないと思っていたわけじゃないけど、

篤は自分の気持ちを相手に押し付けるタイプじゃないから、
去るもの追わず、だろうな。


ニャー、と足元から聞こえ、そちらに目を下ろすと、
花子が私を見上げている。


「花子、元気でね…」


花子は連れて行けない。


そして、花子に似たあのぬいぐるみも、
持って出ない。



私は、ナツキに返せなかったその指輪を、
左手の薬指に嵌めた。


その指輪を見て、覚悟が決まった。


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