放課後TLクラブ


「ちょ、ちょっと待って。あたし、まだよくわかんないんだけど」


あたしが焦っていると、春音くんが眼鏡に指を当てて教えてくれた。


「そうだね……。たとえば朝学校へ来る途中、遅刻しそうなあみと蓮が急いでいて道でぶつかったとしよう。それで運悪くケガをしてしまった」


ふむふむ。


「それを後で聞いたぼくが、もしぶつかる前の過去に戻れれば、事故を防ぐことができるでしょう。どちらかを止めるとか、別の道に行かせるとかして」


「ええ! そんなことができるの」


「できるの。リコのタイムリープを使えば簡単なの。学校の座敷童子はそのためにいるの」


なんだか嬉しそうにリコちゃんが胸をはっている。


「あみお姉ちゃん、蓮お兄ちゃん、春音お兄ちゃん。クラブに入ってくれます?」


「おもしろそう!」


見れば蓮もうんうん頷いている。春音くんはなんか難しい顔して「時間軸が──」とかぶつぶつ言ってるけど興味はあるみたい。

だって過去に戻ってイヤな未来を良い未来に変えるなんて、人のためにもなってこんな楽しそうなこと断る理由はないもん。

それに、もしかしたら昔食べたおやつがもう一回、二度食べられるかも!

これは絶対やるべきよね。

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