王子と姫の狂おしい愛
「んー大丈夫みたいね…!」
「……っつ…////」
「え…?大丈夫?二階堂?
顔、赤い…」
「いえ…ほんとに…大丈夫です。お二人にお飲み物を用意してきます」
逃げるように去る。
ドアを閉め、壁に額をくっつけた。

「もう…やめてくれ……心が暴走しそうだ…」
二階堂の小さな呟き。

「二階堂?」
「アイツ……
椿姫、あんま必要以上に関わるなよ!二階堂に」
「え?」
「てか、触るな!触らせるな!」
「え?何の話?」
「いいから!!」
「う、うん」

食事中、琥珀はずっと二階堂を見ていた。
不意に椿姫に何かするのではないかと、不安だった……
「琥珀様、先程から何でしょう?」
「別にぃ!」
「琥珀?」
「ん?なぁに?椿姫」
「食べないの?もしかして、口に合わない?」
「ううん。旨いよ!凄く。
椿姫、ポテサラ好きだよね?あげるよ!」
「え…いいよ?琥珀が食べて?」
「はい、あーん!して?」
「え?やだよ、恥ずかしい…」
顔を赤くして俯く、椿姫。

「そうよ、琥珀さん。
そんなことやめてちょうだい!」
「いいじゃないか!微笑ましくて…!」
春樹と彩姫子が口々に言う。

「はい、椿姫!」
「うん…あーん…美味しい」
「フフ…可愛い…!
こんなことできるの俺だけだよな…?」
「え?うん、そうだね…!」
「こうやって椿姫の頬に触れることができるのも、口唇に触れてキスできるのも…全部、俺だけだよな……」
「うん…」
椿姫の頬や口唇に触れながら、琥珀が言う。
それは二階堂に言っているようだった。

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