幸せとはこの事か

チョコレートコスモス

正直心臓がバクバクする。
姐百音「足、痛めてたから大丈夫かなって思って来ちまった」
私は一旦外に出て中の生活音を閉じる。
おきな「大丈夫だよ。思ったより腫れてるけど月曜日にはちゃんと病院行くし!」
姐百音「そかそか。無理するなよ」
おきな「うんっ。大丈夫!」
姐百音「…その包帯。紅幸に巻いてもらった?」
おきな「え、よくわかったね」
姐百音「俺も何回か巻いてもらったことあるからな。」
初めて知った。
たしかに去年紅幸くんと姐百音は2人でセットでずっとそばに居たから怪我した時とかも手当し合ってたんだろうな。
姐百音「ごめん…俺、紅幸に嫉妬してる」
おきな「え…」
姐百音「最近なにかと紅幸とおきなが近い気がする。同じクラスだから仕方ねぇけど…こんなことで嫉妬してごめん。」
おきな「…近いって…どんな?」
姐百音「クラス離れて、紅幸と同じクラスになってからずっと一緒にいるイメージ…おきな自体友達つくってないのしってるからしかたないけど、それでも今日みたいに髪の毛おなじ匂いだったり、包帯巻かせたとかもう…ごめんな、大切な友達に嫉妬して」
おきな「…私も嫉妬することはあるから…ごめんね」
姐百音「…好きだよ」
そう言って優しく口を重ねる。口の中に舌を入れられる。
息が続かかなくなる。
おきな「…ん。っは」
姐百音「…ごめん。また日曜会おう。明日は俺一日練で…」
おきな「…ううん、頑張ってね」
もう一度キスをしてお別れする。
姐百音が見えなくなったところで玄関の扉を開ける。
開けてすぐに紅幸くんはいて抱きついて、口を合わせる。
おきな「んん…むは」
紅幸「だめ」
息が続かなくなるギリギリでキスを責められる。
紅幸「…上書き」
そう言いながらとても辛そうな顔をしていた。
おきな「…なんでそんなに辛そうな顔するの…」
紅幸「俺、どうしようもないくらいおきなが好きで、今じゃ姐百音に対して嫉妬しかない」
そう言った紅幸くんの目には涙が浮かんでいた。
紅幸「どうしちゃったんだろな、俺。蒼星のこと好きなはずなのに、おきなのことしか考えられない…」
私たちが乗り越えられない壁だった。
とても悲痛な叫びに心が潰れそうだった。
おきな「…私たちどこで間違えたのかな」
私も涙を浮かべる。
紅幸「なにも間違いじゃない。きっと…」
涙が伝いながら引き合うようにキスをした。
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