LOVEDOUBT ホスト×女子高生



「飲み物はナツキに任せる。
適当にカクテルか何か頼んで」



この店はメニューらしきものはないのか、
目の前の弓形のテーブルにはペーパーナプキンと灰皿くらいしか置かれていない


メニューがないのもそうだが、
普段お酒を飲まない私にはお酒の名前なんて殆ど分からないから何を頼めばいいのか分からない


それに、この店に入る時、初回は2千円で2時間飲み放題って言われたから値段を気にする事もないし、なんでもいいや




「オッケー。
じゃあカクテルにしよっか」

ナツキはそう言って、近くに居たウェイターにコソコソ耳打ちするように注文をしていた



まったく聞こえないけど、
何を頼んだんだろう?




「それより、名前は?」


ウェイターが去ると、思い出したようにそう尋ねて来る




「私?
私は安達未央」



「えっ?フルネームで教えてくれるんだ」




あ、下の名前だけで良かったんだ




「アダチミオ。ミオちゃんね」


ナツキは私の名前を呟く



「――そう」



「安心の‘安’に配達の‘達’で、安達?」



「そうだけど…」



もしかして、名字から私が誰かバレたのかな?


けど、安達なんて名字は、それ程に珍しくないだろうし

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