オフィスの華(令和版)Episode.0~スノードロップ~
同じマンションで同じ階。
彼は二つの部屋を挟んだ部屋で暮らしている。

講演会も成功を収めた。
上層部の人達も栗原さんの仕事にぶりに感心していた。

天才は何処に居ても目立つ。
その橋倉教授の言葉通り。
彼は天才で、何よりも引力のように人を惹きつける。


私は彼から貰った三割引きの焼きそばを夕食に食す。
侘しい食卓。

ベランダに出て空を見上げると夜空に向かってタワーマンションが聳えていた。

部屋から零れる光。
タワマンの高層階住める人間は耶刃さんにようにセレブな人達ばかり。

彼らに私達のコトなんて見えていない。

このまま、耶刃さんと結婚まで行けば、私もそのセレブの仲間入りができる。

我が社の『秘書課』は別名『シンデレラ課』

秘書所属の女性社員たちは社長の紹介する男性で玉の輿に乗れるらしい。
でも、私は・・・








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