オフィスの華(令和版）Episode.０~スノードロップ~

ファイルを戻すように耶刃さんから命じられて資料庫に足を運んだ。

栗原さんがファイルをに必死に引っ張り出して何か調べ物していた。

「栗原さん…」

「んっ？あ・・・小畑さん…君が此処に来るなんて珍しいね…」

「あ…部長に言われてファイルを戻しに来ました…」

私は持っていたファイルを見せる。

「何のファイル？」

「これです」

「あ、これ向こうの棚だな…」
彼が私のファイルを全部元の場所に戻してくれた。

「まだ・・・機密だけど…降圧剤の新薬が出来るんだ…」

「へぇー…」

「一気に血圧を下げるとカラダに負担がかかるから…利尿剤を使用しながら…あ。悪い…これは俺の独り言だ」

「医者には戻らないんですか？部長のお兄さんとのトラブルだけで辞めてしまうなんて…勿体ないですよ…」

彼は持っていたファイルを手放して、私の肩を掴んで背中を強く棚に押し付けた。
不機嫌な顔で私を見つめる。

「部長から訊いたのか？詳しい事情も知らないクセに…俺にとやかく言うなよ！！何様だ？」