振り向いて欲しい
同窓会
高校を卒業してからはじめての同窓会。
私たちはみんな25歳になっていた。
高校は10クラスもあり同窓会といってもかなりの人数が集まるためホテルを借りてのもの。あまりの人数に圧倒されてしまう。

やっと見つけた親友たち。こっち、こっち、と手招きしてくれる。
遅かったじゃない、と声をかけられると友達の遥加は赤ちゃんを連れての参加。色白二重を受け継いでとっても可愛い女の子。うーん、可愛い、可愛すぎる。私は見てるだけで癒されてしまう。ぷっくぷくのほっぺでなんだか甘く優しい香りがしてくる。私もいつか…なんて思いたいけど奥手な私にはまだまだ先、もしかしたら永遠に来ないかもしれない。友達の子供でさえこんなに可愛いのに自分の子になったらどれだけ可愛く思うのか…とは思うけれど私は結婚はおろか、お付き合いだってしたことがない。

あんなにのんびりやの優子でさえこの前プロポーズされキラキラ輝くものが薬指についている。

友美はバリバリ現役ナースで仕事に充実してる。とはいえ高校からの彼とつい最近同棲したところ。

みんなどうやって恋愛ってするんだろう。
みんなはいつかその時が来たら分かるよって言うけど全くわからない…。

そんなことを考えていたら入り口のところで聞こえる賑やかな声。振り返るとかなりの人数が固まっておりよく見えない。
あ…
高坂くん…
昔と変わらぬ笑顔に喉の奥がチリッとした。


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