地味同盟〜地味男はイケメン元総長〜
「そんな感じで怒られた親父が、高校はここに行けっつってパンフレット渡してきたんだよ。総長辞めて普通の学生生活送ってこいって。自分はそれが出来なくて後悔したからとか言ってたか」

「へー」

 まあ、大体の流れは分かったかな。

 ……でも。


「でもそれでよく日高くんもお父さんの言う事聞いたよね? 普通反発しない?」

 一通り話してくれたから、この質問にも普通に答えてくれるんだと思った。


「……俺にも思うところがあったんだよ」

 でも、そのことには触れられたくないのかはぐらかされる。

「そっか……」


 気になるけれど、追及はしない。

 本人が触れられたくなさそうだったし、何より化粧水のパッティングが終わったし。


 あたしは今度は乳液を手に取り両手に広げ、塗りやすいように日高くんの後ろに回る。
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