地味同盟〜地味男はイケメン元総長〜
「持って来てたのか」

「もちろん、約束したじゃない。それともいらなかった?」

「いや、良かった……」

 何故か安心した様な表情。


 良く分からないけれど、渡して良かったんだよね?


「もしかして避けられてんのかな、と思ってた」

「……」

 まあ、ある意味避けてたかもしれないけれど。

 だって、まともに顔合わせられなかったもん。


 でも美智留ちゃん達に話せたからか、少し余裕が出来たみたいだ。

 あたしは軽食を食べ始める日高くんを見て、少し迷ったけれど口を開く。


「ちょっと話があるからさ、帰り一緒に帰らない?」

 一番ありえないと思うけれど、三人に揃って言われたことだから聞いてみようと思った。

 どっちにしろ、やっぱり日高くんの気持ちは本人に聞かないと分からないからね。


「ああ、いいぜ」

 その返事を聞いて、あたしは次の授業の準備のため自分の席に戻った。
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