地味同盟〜地味男はイケメン元総長〜
 思い出すだけで、あのゾクゾクする感覚が蘇る。

 どうしても手に入れたいと思ってしまう。


「日高も、同じなのかな?」

 多分そうだろうと自分で答えを出す。

 俺達みたいな不良とあんなに真っ直ぐ目を合わせてくれる人間は少ないから。

 どうしたって、惹かれてしまう。


 でも彼女の反応を見ると日高の方が有利みたいだ。

 彼女と近しいのも日高。

 完全に俺の方が不利。


 でもだからって簡単に諦めたくはないなぁ……。


 俺は持っていた黒縁のメガネを見てフッと笑う。

 会いに行く口実もあるし、どうしてやろうかな?


 また灯里ちゃんに会って、意識を俺に向かわせたい。

 日高も悔しがるようなことをしてやりたい。


 それを考えるだけで何だか楽しくなってきた。


「待っててね、灯里ちゃん」

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