地味同盟〜地味男はイケメン元総長〜
 一人だけ女子生徒がそっとポケットにしまおうとしていたけれど、花田くんに見つかって慌てて返していた。


 うん、彼女は要注意人物だね。


 そうやってきちんと回収を終えたら、美智留ちゃんが改めて教壇に立つ。

「とまあ、実演はこんな感じになると思う。展示する資料や内容は、これから詰めていければな、と思ってます」

 以上、と告げてプレゼンを終わらせた。


 あたし達も席に戻ると、委員長が進行する。

「えーと、では他にやりたい展示の意見はありますか?」

『……』


 特にやりたい事なんて考えてなかった人がほとんどだったこともあって、手を挙げる人はいなかった。


「じゃあ、田中さんの案で進めても大丈夫ですか?」


「……まあ、いいんじゃない?」

「ちょっと面白そうだし」

「他にやりたいのもないしなぁ」

 そんな声がポツポツと出てくる。

「じゃあ反対意見は無いですね?」

 委員長がそう最終確認をすると、声は上がらなかった。


 そうして、文化祭は美智留ちゃんの案が採用されたのだった。
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