地味同盟〜地味男はイケメン元総長〜
「日高や杉沢さんが一発で落とされたの分かった気がする」

「ああ、これはヤバイ。グッとくる」

「まあ、でも倉木さんが誰を好きかなんて分かり切ってるから、俺達が彼女に惹かれることはないけどね」

 工藤くんと小林くんが何やら感想を口にして、最後に花田くんが当たり前のことを言う。

 当たり前の事なのに、陸斗とさくらちゃんが物凄くホッとした顔をするのはなんでなんだろう。

 ()せぬ。



 とにかく今日のメイクはこの三人だけだから、あたし達は片付けをしながらお喋りをしつつ沙良ちゃんを待った。

 時計の針が十一時十五分を過ぎた頃に、廊下からバタバタと走る音が響いて来る。


「皆、お待たせー」

 かなり急いで来たのか、息を切らしながら沙良ちゃんがドアを開く。


「そんなに待ってないよ。急がなくても良かったのに」

「いや、三人のメイクも気になってたしさ」

 美智留ちゃんの言葉にそう答えた沙良ちゃんは男子三人を改めて見た。
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