魔法の恋の行方・魔女の告白(シリーズ4・バージルとレティシア)

レティはいぶかしげに見る、
バージルの視線に気が付いたようで

「ああ、そんなお話を聞いた事があって・・・魔女とか」
レティは早口で、言い訳っぽく言った。

童話には魔女やドラゴンがよく出てくるから・・・
この子は想像するのが好きなのか
バージルは納得した。

そしてバージルは山並みと、それに連なる小高い丘を指差した。
「このあたりは、
はるか昔、魔女の国があったと言われる境界の場所だ。

私たちの祖先も、その時代には
精霊や妖精とも話ができたと言われるがね」
レティも
バージルの指差す方向を見やった。

「バージルも魔女と話をしたいと思うのか?」
「そうだね、今はもう誰もできないだろうが・・・

こういった歴史は放置しておくと、どんどん風化して滅びてしまう。
だから、
なんとか記録をし続けないと
その役目を私がやらねばと思う」

バージルは子どもには難しすぎたか、と感じた。
レティは考え込んでいるようだった。
「この石碑の文字を書いたは・・・
魔女と知り合いだったのかな?」

バージルはレティのとんでもない発想に、笑ってしまった。
「どうしても、後世に残したい、
強い感情か、事情があったのだろう」

皇国の歴史には時折、
魔女らしき人物が出てくる。
断言はできないが・・・
あくまで言い伝えだが・・・・

「魔女はとても・・美しいと言われるからね」
「はぁ、なるほど」
レティはため息をついた。
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