魔法の恋の行方・魔女の告白(シリーズ4・バージルとレティシア)
<キャラウェイの別荘・バージルの寝室・午前2時>

「なんだ!・・・・」

そこに眠っていたのは・・
小さくて形の良い薄目の唇は、
紅をさしたように紅い・・・

17歳くらいだろうか。。
少女から乙女に変わろうとする年頃の娘だった。

顔立ちは美しく、長いまつげが頬に影を落としていた。

肌が陶器のようになめらかで・・・ほのかに発光しているように見える。

長い髪は銅線のように煌めき、
ところどころ金の筋が混じって、
絹糸のようにしなやかで光沢があった。

頬は柔らかなピンクに染まり、
あごから首にかけてはなだらかで
美しいラインを見せている。

幼い頃見ていた妖精の挿絵(さしえ)のように華奢で、はかなげだった。
ベッドの中で丸くなって眠っている。
この・・娘は・・誰だ?

バージルは口を押えた。
心臓が飛び出しそうに思えた。
レティのはずだが・・・
別の生き物で、それに可憐だ・・・

触れたら消えてしまうだろうか・・
バージルは手を伸ばして、
そっとその娘の頬に指を触れて確かめようとした。

「う・・ん?」
その娘が寝返りを打った。
そして
まだ眠たげにバージルを見た。

瞳は美しい青緑・・もっと緑だ。
冷たいエメラルドグリーン・・

「君は・・・誰だ?」
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