魔法の恋の行方・魔女の告白(シリーズ4・バージルとレティシア)
<石碑・14時15分>

その時
誰かの視線・・・・

木の幹に身体を半分隠しているが、じっとこちらを見つめている。

女の子・・・
10歳くらいだろうか・・・

着ているものはボロボロで、
大判のストールを体に巻き付けている。
しかも裸足だ。

赤い髪はぼさぼさで、
顔もよく見えないが・・・

バージルは声をかけるべきか迷った。

どうもこの近くの村に住んでいる
子どもではないようだ。

それにしても、
このような寂しい場所で、
子どもが一人でいるのはおかしいが・・・・

女の子はそのまま物憂げに、
疲れたように木の幹に寄りかかった。

まだ、
バージルをじっと見つめている。

バージルの手がナプキンに包んであったクッキーに触れた。

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