魔法の恋の行方・魔女の告白(シリーズ4・バージルとレティシア)


女の子はパンを喉に詰まらせたのか
「ぐぇっ・・!うううう!」

苦しそうにもだえる姿を見て、
バージルも驚いたが、

すぐに走って女の子の背中を
バンバン叩いた。

なんとか女の子は詰まらせた
パンを吐き出した。
バージルはすぐに水筒のふたを
開けて、手渡した。

「早く飲みなさい!!」
「ううううう・・」

女の子はうなりながら
水を飲んで、残りのパンを
胃袋に落とし込む事に
成功したようだ。

大きく息を吐いて、
涙目でバージルを見た。
「大丈夫なのか・・?」

その時
強い風と雨が激しく降ってきた。

バージルは素早く紙をかばんに突っ込むと、
座り込んでいる女の子を見た。

そして、
周囲を見回した。

親らしき大人の姿はない。
しかたがない。

「とにかく・・一緒に来なさい!」
そう女の子に声をかけると、
元の道に戻る方向に走り出した。

そうして豪雨のなか、
何とか村の酒場件宿屋まで
たどり着くことができた。
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