碧天の下で、純白の球、夏に泣く。




けど、声を上げて泣くのではなく、
静かに、涙を流し続けた。






「み‥御白。」

「なに‥?」

「ありがとう。本当にありがとう。」

「‥わた、しも。」






‥そろそろ、かもしれない。
視界がまばゆく輝く。

今までの思い出が、
次々と頭に浮かんでは消えてゆく。


‥走馬灯だ。








「とあ‥‥お、く‥。」

「なに‥?」

「‥わた‥し、の、こ‥と。
わ‥た、しを‥‥、す、すきに、
なっ‥てく‥れて。」

「‥うん。」

「あ、あ、ありが‥とう。」









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