碧天の下で、純白の球、夏に泣く。


通りすがりの人も、
保田の言葉に耳を傾けている。

「つまり、相手にも、俺たちが想像つかない思いを抱えてる奴がいるんだ。
苦しい練習や試練を乗り越えて、あのグラウンドに立ってたんだ。
‥もう、分かるよな、錦城。」

「っ、はいっ!!」

「だから、自分を責めるのはやめろ、な?」

「はいっ!」



_____パチパチパチパチ!!



どこからともなく、
拍手が聞こえてきた。



「保田ー、いいこと言うじゃねぇかぁぁぁ!!」

「いや、俺は当然のことを言ったまででー!」


監督が、
保田に走り寄って頭をぐしゃぐしゃと撫でる。


ギャァギャァ言い合っていて、
さっきの緊張していた雰囲気はどこかへ行った。





保田はすごい。

本当にすごい。





大切な仲間を持ったと、
心の底から思えた日だった。















< 148 / 164 >

この作品をシェア

pagetop