冷徹弁護士は奥手な彼女を甘く激しく愛し倒す


「……そう。上手だ」

毎晩のように教え込まれたとおり、岩倉さんのキスに応え舌を絡める。
「もっと口開けろ」と言われるのがほとんどなので、キスを褒められたのは今日が初めてだった。

岩倉さんとこういうことをするのは嫌じゃない。わけがわからなくなるほど気持ちもいい。

けれど、今は、一番に岩倉さんに気持ちよくなって欲しいという思いがあるから、丁寧に抱かれるのはなんだか違うと思ってしまう。

もっと、一方的で乱暴で構わないのに、岩倉さんは私なんかを優しく扱う。
溶けるほどにべたべたに甘やかしてくる手も、体温も、そのままの私を認めてくれているようで、それが嬉しくもあって……そして、どうしようもなく怖い。


岩倉さんが、私を大事に扱うことが、嬉しくて不安で、とても怖い。


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