冷徹弁護士は奥手な彼女を甘く激しく愛し倒す


岩倉さんはとてもモテる。それは、社内の女性社員の反応を見ていればわかる。
顧問弁護士をしている企業は私が勤めさせてもらっている不動産会社だけじゃないし、他の顧問先でもきっと人気なんだろう。

顔立ちもスタイルも完璧で、スリーピースがこれでもかってほどよく似合い、おまけに声もいい。
色っぽいというか、体の芯にぐっとくるような、そんな声をしている。
その上、職業は弁護士。

女性が放っておくはずがなかった。

スタイルがよくて綺麗で、爪の先まで手入れを施すようなキラキラした女性だって、岩倉さんならきっと選びたい放題やりたい放題だ。
岩倉さんが本気で口説けば、おちない女性なんて絶対にいないと思う。

……それなのに。
どうして岩倉さんは私なんかを助けただけじゃなく、今も世話を焼いてくれるんだろう。

同居をし始めた時には、ただパニック状態でなにに関しても冷静な判断ができなかった。
岩倉さんに言われるままなされるがまま、今日まできた感じだ。

でも、よく考えてみればおかしなことばかりで、最近は、精神状態が悪かった過去の私が後回しにした疑問の山と直面する機会が増えていた。

これは、きっと私の健康状態から見るといい傾向で、それを話せば岩倉さんはきっと喜んでくれるんだろう。

それがわかるのに……同時に重たくなる気持ちを感じていた。


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