冷徹弁護士は奥手な彼女を甘く激しく愛し倒す


「俺的には本人が納得していればサイズなんかどうでもいいと思うんだけどね。でも、もしもコンプレックスに感じているなら、俺がメス入れて豊胸してあげようか。ちょっとサイズ見てもいい? なんて……うわっ!」

佐鳥さんが大きな声を上げたので驚いて見ると、いつの間にか佐鳥さんの後ろには岩倉さんが立っていた。

「え? なに?」とお尻の下を気にしながら振り向いた佐鳥さんを見る限り、おそらく岩倉さんが椅子を蹴ったのだろう。

佐鳥さんは岩倉さんを確認するなり、焦ったような笑みを浮かべた。

「やだな、怒ってんの? 胸の話だったら冗談だってば。冗談っていうか、ほぼ仕事じゃん。顔、すげー怖くなってるから直して。ほら、スマイルスマイル」

佐鳥さんを無視した岩倉さんが私に視線を移し「なにも変なことはされていないか?」と聞いてくるので頷いた。

「はい。コーヒーを飲んでいただけなので……あの、おかえりなさい。お疲れ様です」
「ああ。ただいま。……それで、おまえは何しに来たんだ。出穂に変な営業かけにきたなら必要ない。帰れ」
「ええー、俺、びっくりするほど信用ないじゃん。友達には営業かけないって。今日は珍しいワインが手に入ったから一緒に飲もうと思って。引っ越し祝いもかねてさ。ほら」


ふたりのやりとりは気心が知れている感じがして、微笑ましい。
その日の夜は、佐鳥さんが宅配を頼んでくれたので、三人で食卓を囲んだ。

私の取り皿にバランスよく料理をとる岩倉さんの様子を見た佐鳥さんが「うわ、過保護」ともらし、凍るような眼差しに刺されていた。

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