【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

そして結婚をしてから数ヵ月。 レナの妊娠が発覚した。

それでも八ヵ月目まで仕事を続けて、それとバトンタッチするように妹のルナちゃんがチェリーチョコレートカンパニーへと仕事復帰した。

娘であるヒナちゃんはまだ幼いが、ルナちゃんはああ見えて仕事が好きなのだという。  白鳥さんと二人三脚で家事や育児をこなしていた。


そして今日、レナが出産を終えて退院する。
30度を超える、晴れ渡った夏日の出来事である。

レナの退院には俺は勿論、桜栄社長や真子さんも駆けつけた。 桜栄社長は産まれたばかりの子供を大切そうに抱き上げて、目尻を下げる。

その顔は、ルナちゃんの子供であるヒナちゃんを抱き上げる時と同じ顔である。 大切な宝物を抱きしめるように優しく頬をすりすりと擦り付ける。

「可愛い。本当に可愛いなあ。 桜栄家の跡取りだ。」

「ちょっと、竜馬さんばかり抱っこしてずるいわ…。 それにしても本当に可愛いわあ。
レナ似かしら?海さん似かしら? とっても優しい顔をしている…。きっと海さん似ね」

「うん。私もそう思うわ。 海に似ていると思う」

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