入れかわりクラスカースト


ハァ、ほんとイライラする!


すぐに『先生、先生!』って、私はお前らのママじゃないっていうの!


ほんと鬱陶しい!


私は別に教師になりたいわけじゃなかった。


どうせ結婚して玉の輿に乗るんだし、それまでの片手間で良かったんだ。


ただ、両親とも教師ということもあり、いつからか『先生になりたい』なんていうのが口癖になっていた。


それを言えば、バカな親は喜んだから。


それに『教師』というのは世間体が抜群にいい。


良いイメージはきっと、婚活でも役立つはず。


だから教職についたというのに──。


まさか、こんなにハードだったなんて…。


仕事は時間内に終わらない、生徒は言うことをきかないし、保護者は文句ばっかり!


「服部先生、いじめは解決したの?」


そう言って、腕組みをするのは田所先生だった。


どっから見ても地味で年増の、生活指導。


「はい。私のクラスにはいじめはありませんから」


「でも、奥田夕子だったかしら?よくジャージでうろついてるけど?」


「彼女は家が貧しくて。制服をクリーニングにも出さないみたいなので、私が援助して出してあげてるんです」


そんなの、ウソだけどね。








< 85 / 198 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop