愛の距離がハカレナイ
「武田さんがどんどん遠くなっているような気がする。それはまさに…。」

「仕事のパートナーとしては最高じゃないですか。」

「だからそれが気に入らないんだ。」

最近は少し話し方も砕けて来て、私達の関係は近づいていると私は感じている。

しかし…。

「素の武田さんに触れられない気がしている。」

まあ、とにかく今は南川課長の愚痴を聞く立場に徹しよう。

「水島がベトナムへ行って、もう少し武田さんは落ち込むと思ったんだが…。」

もちろん外には何も変わっていないように見せている。

でも落ち込むというのは少し違う。

言うなれば、空気が抜けた風船状態なのだ。

それを見せるのが嫌で、自分でわざと膨らませた姿を見せる。

でもその中身は…、気の抜けた炭酸のような感じだ。

きっとそんな状態の私が、南川課長には違和感を与えるんだろう。

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