愛の距離がハカレナイ
「それにもう誰にも渡す気なんてないし。」

祐介のそんな言葉に、香澄と篤志さんがニヤリと笑った。

「武田さん、水島くんを本気にしちゃったようだね。こういう時の男は強くなれるんだ。」

篤志さんが香澄にニッコリと笑いかける。

「香澄、そろそろ子供を作らないと、二人に先を越されそうだぞ。」

「何言っているのよ。どさくさに紛れて。」

香澄の慌てる姿が可愛い。

「思い出しちゃったよ。香澄を誰にも渡したくないって、婚姻届を書いた必死な気持ち。」

篤志さんは私に視線を向けた。

「今は今で、凄く気持ちが安定している。それは全部香澄のおかげ。」

いつも穏やかな篤志さんらしくないそわそわした雰囲気。

そして篤志さんは私達二人の前で、香澄の頬にキスをした。

「香澄で良かった。」

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