愛の距離がハカレナイ
私はその声の主を見上げる。

「私なんてとても…。南川課長に付いて行くだけで精一杯です。本当に申し訳なくて…。」

私は思った事をたどたどしく言葉にする。

「何を弱気な事を言っているんだ。上司の言葉を疑っているのか?」

弱っている身体に南川課長の鋭い視線は辛い。

「そういうつもりでは…。私はまだまだだなって痛感させられているだけです。」

すると南川課長は温かな笑顔を私に向けた。

「武田さんは頑張っているよ。武田さんと動くと、仕事がすごく捗るような気がする。それだけで十分だ。」

「は…い…。」

「ちょうど疲れも溜まってくる頃だ。今日はこの辺で帰りなさい。」

「でも…。」

「また明日から頑張ってくれたら、それで良い。それに武田さんの身体も心配だから。」

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