愛の距離がハカレナイ
私は思わず溜息をついた。

南川課長の担当になった当初を思い出す。

その当時は香澄や水島によく居酒屋に付き合ってもらって愚痴ったものだ。

「泣かせちゃった?」

私は思わず香澄を見た。

「いや、私が内田さんに逆に説教された。」

その声に香澄が自分の席に慌てて戻った。

「そうでしたか。私が有休を頂いたので…。すいませんでした。」

私はまた戻って来た南川課長を見上げる。

「いいや、その事で武田さんがどれだけ私の事を理解してくれているか、つくづく感じたよ。」

その謙虚さは南川課長らしくない。

そして南川課長は少し照れくさそうな表情を見せた。

「…いつもありがとう。」

「どうしたんですか?南川課長。」

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