ロミオは、愛を奏でる。

「リョーちゃん
1年記念、行ってみたいレストランあるんだ
そのレストラン、予約2ヶ月待ちだから
今から予約すれば取れるかも!」



イトと付き合ってもぉすぐ1年



確実に1年前より

オレはイトを好きになってる

順調に時が進んでる



ふたりだけの思い出も増えた

記念日、イベントもふたりで過ごした



でも…



「イト…
イトに言ってないことがある」



「え?なに?」



「1年記念、イトと一緒にいれない
ごめん…」



「仕事?
それなら仕方ないよ
別に当日じゃなくても
リョーちゃんの都合に合わせるよ」



「ごめん…
その頃オレ、たぶん日本にいない

そろそろ戻らないか…って言われてるんだ」



イトの近くにいたくて

国内勤務を希望した



こっちに帰って来なければ

イトとまだ付き合ってなかったかもしれない


生涯付き合うことなんてなかったかもしれない



でも…



「次は…いつ帰って来れるの?」



「次は…しばらくないかも…」



国内勤務はもぉないかも…

イトには言えなかった



きっとイトは1年記念日

楽しみに計画してたんだろうな



「そっか…

じゃあ…

でも、私、リョーちゃんのこと好きだよ
遠くても大丈夫だから…
我慢するから…

だから…
別れないよね?
ずっとリョーちゃんの彼女でいれる?」



何言ってんの?

イト



「オレも別れる気なんてないよ

イトとずっと一緒にいること考えてる」



それしか考えてない

別れるとか、ないから…



だけど…

一緒に来てとは

まだ言えなかった



「イト
離れてても、気持ちは離れないから
大丈夫だよ」



イトを抱きしめた



その大丈夫には確信はなく

離れたらイトと向き合って

抱き合うこともできなくなる



大丈夫かな?

オレ



ごめん

イト



今度はちゃんと迎えに来るから

待ってて…


< 210 / 249 >

この作品をシェア

pagetop