また君と恋する

13

「ふわぁ……」

「あらら。由麻ちゃん、寝不足?」

「うん、まあ……」

朝起きて、おはよう、よりも最初に出たのが欠伸だった。

パック中のお母さんに寝不足を指摘される。

昨日の夜は興奮して眠れなかった。

「あ、そーだ。実は由麻ちゃんにプレゼントがあるのですよ」

お母さんはそう言いながら、鞄から小さな箱を取り出した。

化粧品のようだった。

「リップ……?」

「もらいものなんだけどねー。べたつかないし、色づきもほんのりで目立たないから由麻ちゃんでも使えるかなって思って」

「私、色つきのリップとか使わないけど」

「これから使うかもしれないでしょ。高校生なんだから少しは色気づいてもいいの!」

高校生が使うには高そうだけど、一応もらっておくことにした。

……色気は確かにほしいし。
< 309 / 475 >

この作品をシェア

pagetop