また君と恋する
4月中旬頃になって、ようやく授業が始まった。

グループもできていて、クラスでの立ち位置なんかも自然と決まる。

俺は1年からの付き合いで結大といるが、昼休みになると1年の時に同じグループだった奴らが集まってくる。

「由麻」

その名前を呼ぶ声が聞こえてくると、つい視線がそちらを向いてしまう。

同じクラスだとそういうことがあるんだな、としみじみ思う。

俺の反応を結大がニヤニヤしながら見るのですぐ目を逸らすが……そんな日常が続く。

「結大。これ、ありがとう」

昼休み、結大の彼女が英語の教科書を返しに来た。

ほのかに顔が赤いのは結大に会えて嬉しいからだろう。

1年の時は同じクラスだったからいつでも会えたけど、2年になってクラスが別れると意識しないと会えない────そう嘆いているのを聞いたことがある。

俺はむしろその逆だ。

今まで同じクラスになったことがなかったから、いつでも会えるのがこんなに特別なことだと知らなかった。
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