同期はまさかの御曹司?☆ 番外編完結
配置は3ヶ月の研修期間を終えてから適材適所を見て決めるとのこと。

夢にまで見た東京でのOLライフ。
ルンルンと鼻歌でも歌ってしまいそう。

人事からの説明では、まずはチームワークを作り同期の絆を深めましょう、と。そのため、毎年入社してすぐにキャンプに行くのが恒例であると説明される。もちろん、テントを立て、火を起こす。
人事から出される課題をいくつかこなしていくという。

なんなの?そのサバイバル企画。
商社に入ったけれどまさかのキャンプ…。
友人の入った会社はそんなことやるって言ってなかったけど…。

5人で1グループを作り行動することになる。
ひとまず今座っている席でグループ編成されるものこと。私は隣の鈴木くんとペアを組むことは決まりだ。なんだか急に不安になってきた…。

後の3人は向かいに座っていた山本真由ちゃん、竹中絢斗(けんと)くん、浅野慶太くんと5人に決定した。
これから3ヶ月は基本このグループで動いていくとのこと。

まずはお互い自己紹介から始まる。

「山本真由です。22歳。大学ではフランス語を専攻してました。趣味はマンガを読むことです。オープンにしてますがややオタクでが引きこもりではありません。飲みに行くのも大好きです!真由って呼んでください。よろしくお願いします。」

オタクには見えない可憐で可愛らしい真由ちゃん。私もマンガ好きよ。仲良くなれそう。

「鈴木康祐です。同じく22歳。経済学部卒。趣味はアウトドア。キャンプ大歓迎です。ずっと研修してたいくらいです。火起こし完璧です!みんか大船に乗ったつもりでドーンとこいです。康祐、と呼び捨てでお願いします。3ヶ月、よろしくお願いします。」

今朝会ったばかりだがこの紹介といい、先程の居眠りといい彼のことはなんとなくわかった気がする…。いい意味でも悪い意味でも。

「竹中絢斗です。ケントと呼んで下さい。学生の頃1年海外を旅していたので23歳ですがみんなと同じ新卒なので気にせずにタメ口でお願いします。趣味はもちろん旅行です。貧乏な旅行だからオシャレなところは分からないけど色んなところに行ってるからもし興味があれば教えるので声かけてください。これからよろしくお願いします。」

ケントくんか…こんなに見た目クールなのに貧乏旅行してたなんて意外。でも私旅行大好き!是非仲良くなって話したい!

「浅野慶太でふ。やべ、緊張してどもっちゃった。見ての通り、ちょっと緊張しいです。ちょっとそそっかしいとも言われます。みんなの足を引っ張らないようにがんばります。22歳、趣味は安くて美味しいものの食べ歩きです。」

私も安くて美味しいもの大好きよ。
うわぁ。
しかもどもっちゃうとかちょっと可愛い…。見た目もちょっと年齢より若く見えるかも。

この4人と一緒だなんてワクワクしてきた。

「おい、次はお前だそ。」
そう鈴木くんに言われ慌てて自己紹介をする。

「松本結菜(ゆいな)です。22歳。文学部卒です。出身は長野県で、この度上京してきました。まだ東京のこともわからないし、みんなに色々教えてもらえたら、と思います。私はカヌーが割と好きです。あと、旅行かな。と言っても川や海があるところでカヌーをするのが好きなのでその延長かな。ユイと呼び捨てで大丈夫です。私も足を引っ張らないように気をつけます!」
そういうと康祐が
「そうだよな、入社式前から転んでたしな。おっちょこちょいっぽいぞ」

「ちょっと、それを言うなら康祐も目を開けたまま寝てなかった?!」

「俺は話を脳内で整理してただけで断じて寝てないぞ。」

「目あいたまま寝てたってば。しかも口も半開きだったもん。」

「口は息を吸うため開いてたんだよ。バカだなぁ、ユイは。人間空気吸わないと死ぬだろ。」

ちょっとちょっと!
早速、おっちょこちょいのバカと言われ憤慨するが康祐の言う通り、地元のみんなからはおっちょこちょいと言われており、上京することをみんなにかなり心配されてきた。

そんな掛け合いをみて3人は笑っている。
「いいコンビになるんじゃないの?」

「まさか!」と私たち2人は同時に言う。

「ほら、気も合うじゃない」
と真由ちゃんがからかう。

ますます先が思いやられる〜。
< 3 / 92 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop