同期はまさかの御曹司?☆ 番外編完結
帰りの車の中、ユイは後ろの席で寝てしまった。
ケントは助手席の康祐に話しかける。

「お前さ、ユイは全然わかってないぞ。ぶっちゃけ俺らには分かりすぎるくらい分かるけどユイは全くだぞ。

「やっぱり…だよな。」

「俺ら、お前の反応が可愛すぎてからかってたけどそろそろ言わないと他のやつに狙われるぞ。ユイは可愛いし性格もいいしな。特に一樹には注意だな。」

「だよな…俺もそう思ってた。それにお前らにからかわれてるのも分かってたぞ!」

ププ…ケントが笑う。

「まずはカヌーな!あれ酷くね。俺の言ってる意図が分かってたくせに俺1人乗りだし。キャンプの次の日にご飯に誘って食べたはいいけどさ、次の日にみんな呼んだらそそくさと来るし。しかもアーンってしてもらって優越感に浸ってたのにみんなしてもらうし!」

プププ…

「俺なりアピールしたりご飯誘ったりしててもユイは友達だと思ってるみたいでさ。それ以上にはなれないのかもって…。」

「康祐はこのままでいいってことね。じゃ、そのうち一樹あたりに取られて、康祐は結婚式で同期代表として挨拶とかしちゃう感じ?」

!!!

「それはない!!!」

「言わなきゃ始まらないよ。ユイは仲間だと思ってるんだからそこから抜け出るには言わないと。仲間だからこそ俺と2人でもなんの躊躇いもなく釣りに行けるんだし。」

「…」

「ユイはさ、いい子だから慶太に誘われても2人で出かけちゃうぞ。もちろん一樹にも颯太にもだ。同期で仲間、だからな。」

「ユイ〜、鈍すぎるよ。」
後ろを振り返りながら康祐は呟く。

ケントは苦笑しながら、
「ここは康祐の腕の見せ所だろ。俺らからかってるけど応援してるんだぞ。」

「ありがとな。」

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