極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

避妊については完全に翔任せだったため、そういったことがあったのかどうかが美羽自身にはわからない。
そもそもはじめての経験だったのだ。失敗なく避妊できていたかなんて考える余裕なんてない。


「……本郷さん、望まない妊娠だったんですか?」


不審に思ったのか、先生が真剣な表情で尋ねる。


「あ、いえ、その……」
「ご結婚されていらっしゃいますよね?」


カルテを確認してから、もう一度美羽に向き直る。
受付で提出した書類に既婚か未婚か記入する欄があり、美羽は当然ながら既婚に丸を付けていた。


「……はい」


まさかこんな場所で〝じつは離婚前提の結婚なんです〟とは暴露しづらい。しかも普通であれば喜ばしい状況下なのだ。


「旦那様と一度よくお話ししてみてください。もしも人工妊娠中絶という選択肢をお考えであるならば、なるべく早いほうがいいです」
「中絶……」


とてつもなく恐ろしい言葉に聞こえた。
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