極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

エコーを終えて椅子に座り、静かに、だけどしっかりと告げた。
もう迷いはない。


「それじゃ、これから一緒に見守っていきましょうね」
「よろしくお願いします」


手を膝の上で揃えて頭を下げる。


「それと先生、妊娠中は飛行機に乗っても大丈夫でしょうか」
「飛行機? 乗るのはいつ?」


デスクにあったカレンダーを見て数える。


「二週間後です」
「とすると十一週ね。長時間の移動はお勧めしないけど、短い時間であればその頃は安定してくるし大丈夫ですよ。ただし無理は禁物。ちょっとでも体調が悪いと思ったら避けたほうがいいです」
「わかりました。ありがとうございます」


プリントアウトしてもらったエコー写真を母子手帳に挟み、診察室をあとにした。
待合室にはお腹の大きな女性が何人かいて、数カ月後の自分をつい想像する。
ひとりで育てていかなければならないから不安がないわけではない。でもそれ以上の愛しさが美羽の心を強くした。
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