極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

もしかして、という甘い予感が駆け抜ける。間近で絡んだ翔の眼差しが、その意味を雄弁に語っていた。


「美羽を抱きたい」


囁くように言われた言葉が美羽の胸を優しく突く。

この一年、翔とはキス止まり。あの一夜以降、体を重ねることはなかった。
妊娠中に医師に止められたわけではないが、翔は美羽の体を気遣って遠慮していたのだ。


「嫌だとは言わせない」


美羽にもそのつもりはないが、照れて先行して気持ちと裏腹になる。


「空良にミルクをあげながら言うセリフじゃ……」
「空良ならもう眠ってる」


翔に言われて目線を落としたら、空良はミルクを飲み終わる前に寝入っていた。スースーという安らかな寝息も聞こえる。

翔は空良を抱っこしたまま立ち上がり、ベビーベッドに寝かせた。
< 280 / 283 >

この作品をシェア

pagetop