極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

美羽が飛行機に魅せられるのは名前のおかげか、はたまた父のそれに対する熱量が遺伝したのか。
三度のご飯よりもスイーツよりも、とにかくなにより大好きなものである。


夏の勢力が徐々に弱まりつつある中、美羽は眩しさに目を細めて空港の展望デッキにあるベンチにひとりでいた。

大きなエンジン音を響かせ、飛行機が大きくゆっくりと旋回していく。


「あ、ゾーイングG737だ。ほんとに綺麗……」


思わずひとり言が零れた。

スリムなボディから尾翼までのラインの美しさは、右に出るものはない。膝の上にのせたお弁当の存在も忘れ、目の前で動きはじめた機体をうっとり眺めていた。
 
美羽は、日本で最も長い歴史を持つ航空会社『オーシャンエアライン』でグランドスタッフとして働いている。
入社して四年目の二十五歳。一人前として扱われるようになって久しく、それに見合った仕事ができるよう懸命に励む日々である。
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