.*・゚ .゚・*.若頭に溺愛されて.*・゚ .゚・*.

再会





私は鞄を持ち愛が去っていたところと反対側の廊下を歩きながら図書室に向かう




やっぱりこっちの校舎は図書室とか実験室とかしかないから人が少なく感じる




図書室に着くといつもどうり誰もいないかと思い歩いていると



図書室の前で女の子5人組が私を急に取り囲む




髪の毛はクルクルとくせが強く巻かれていてメイクは濃いめの子達



いつも楓に声をかけている子達だ



よく一緒に朝登校してる時に楓に挨拶したりプレゼントを渡している人達の何人かだ




一瞬で楓関係のことだと理解し少し焦りが出るけど冷静さを取り戻そうと努力する




「ねぇ·····あんた楓先輩と兄弟だって言って恨みを買わないようにしてるみたいだけど義兄弟で血繋がってないんでしょ?ねぇ?うらら先輩っていう彼女がいるのに手出すとかまじであり得ない!私達も近づきたくても近づけないのに!」




思ってもいなかったことを言われて息を飲む




今まで呼び出されたり女の子達に囲まれることはあっても皆この事実は知らなかったのに




「なんで知ってるの?って顔してるね·····フフッ·····うらら先輩に聞いたんだから」




女の子達は今にも殴りかかりそうな勢いで私に強く言葉を投げる




『でも義兄弟でも兄弟には変わりはないよ·····だから·····』と言い言い逃れようとしたけど



ダメだ·····逆効果みたい




「はぁ?何?じゃあ朝、楓先輩と抱き合ったり過度なスキンシップはどう言い訳するんですか?」




『いや、それは楓が勝手に·····』




「声が小さすぎて聞こえないんですけどぉ」




1人のリーダー的な女の子が私に近ずきハサミを私に向ける



恐怖で1歩1歩後ろずさるけどもう後ろはなくて後ろの壁に手がつく




『助け·····』口を用意されていたであろう雑巾で押し付けられお腹を殴られる





「まぁ·····うらら先輩が楓先輩達といるはずだから助けに来てくれる人は誰もいないんだよね必然的に·····あ!そうだうらら先輩に頼まれてたんだよねぇねぇ、その長い髪可愛いからイラつくって」




「まぁ私達もストレス発散ってことで·····」




と一言いい三つ編みの片方を引っ張られる




咄嗟に逃げようとしてリーダーの子を押し倒すと残りの4人が私に襲いかかり体を壁に押し付けられ動けなくされる




リーダー格の女の子がハサミを持ち直すと私に向け直す




他の女の子達はニヤニヤと笑って面白そうに腕の力を強めながら眺めている




涙が分からないほど溢れ出して止まらなくなる




三つ編みの両方を持つと2ついっぺんにハサミを通す




ジョキジョキジョキ地面にピンク色の髪の毛が落ちるのを感じる




「あれぇ?もうちょっと短くした方がいいかも」




1人のショートの子がそう呟く



「耳元の上まで切っちゃえば?」と衝撃的一言を発する




誰か·····誰か····

助けて·····




その時·····



「おい!ッ·····お前ら何してんだ」




黒崎·····くん




一言廊下の方からドスの効いた声が聞こえ女の子達は焦ったようにその場を走って去って行こうとするのを横の壁を殴って彼が止める




「ごめんなさい·····私達わざとじゃないの·····」



「 あぁん?何甘い事言ってんだクソが·····」




自分がしたことをやっと把握したのか彼が怖いのか
女の子達はその場で震え始め怯えている




私は開放されたことに安心して崩れ落ちると彼にに支えられる



その間に逃げようとする女の子達を彼は無視する




廊下から足音が少しづつ近づいてきて
戻ってきたのかと思い怖くて目を瞑るけど




その足音彼女達のものではなく黒崎くん·····彼の知り合いだったみたいだだった




ポニーテールの黒髪の女の子ともう1人ガタイのいいマシュの髪型の茶髪の男の子




お互い見合わせるとさっきの女の子達が逃げていった方向へ行ってしまった




ぐちゃぐちゃの顔のまま顔をあげると黒崎くんが苦しそうな悔しそうな顔をして私の前に無言でしゃがみこむと抱き寄せられる




その彼の大きな胸に抱き寄せられて安心を感じて顔をこれでもかと言うほど押し付ける




『黒崎くんグンっ·····ング』




泣きながらで、しゃっくりみたいになり上手く話せない




「早く気づいてあげられなくて悪かった·····」



彼が謝る理由なんてひとつもないのに·····




私は驚いて1度顔を彼の胸から離すと彼はすごく傷ついたような表情をしながら優しく微笑む




なんで·····なんで透くんが私のために傷つくの?




ねぇもっと悲しくなるよ·····




私のせいで傷つかないで·····



胸がまたキュッと締め付けられる




また彼に抱きつくとお互い力が抜けたのか




彼の上半身は床に押し付けられ彼の上に乗りかかる姿勢になり胸に顔を押し付けながら彼に優しく撫でられて



まだ溢れて止まらない涙を流す




彼はまだ私の頭を優しく撫でながら




「大丈夫大丈夫」と言い、大きな手で私の頭を優しく撫で続けた




涙が枯れた頃彼は一度体を話そうとしたので『離れないで』と一言いい彼の首の後ろに腕を回す



何故だか自分でも分からないけれどただそばにいて欲しいと思った




彼は黙っていてどんな表情をしているのか分からないから




少し顔をあげようとすると少しチラッと見ると




困り顔をしながら愛しいものを見るかのように私を見る




何この表情·····



ダメだよ·····胸の鼓動がおかしくなる




·····胸が締め付けられて苦しいよ·····



少しすると強制的に離される




「髪の毛·····掃除するから少しの間我慢してて」




私は大人しく『うん』と頷くと掃除をしてくれる彼を眺める





髪の毛をほうきで集めて彼はコンビニの袋をカバンから出してそこに入れると




その場のゴミ箱には捨てず、鞄の中に入れ直す




学校で捨てたら何かあったと絶対に感ずかれてしまうのは目に見えてるからだよね·····




彼は全てを終えると座り込んでいる私の前にしゃがみこみ肩上までの髪の先を綺麗な細長い指先でつまむ




「だいぶ短くなっちゃったな」




『うん』




黒崎くんは鞄の中から大きめのスポーツ用の赤のタオルを出すと少し焦った様子で「汗臭いけど我慢して」と言い頭に赤ずきんちゃんみたいに私にまく




一生懸命巻いている彼の顔が思っているより近くて胸がドキドキしているのを感じ顔が熱くなるのを感じる




近くで見るとまつ毛が長くて肌が綺麗で美少年で見とれてしまう




さっきまで抱きついてたけど意識するとやっぱり胸の鼓動がおかしくなるよ




「ねぇ、真白先輩·····その顔は俺以外の前でしたら許さないからね」




と少し困ったような顔を彼はする



もしかして私·····彼のこと




·····

でも·····『透くんの前でしかしないよ』





「·····ッ·····なぁそれどういう意味かちゃんとわかってゆってる?」




透くんはさっきよりも困ったように私の顔を大きな手のひらで包み込むと
熱い視線で私を見る




『うん、冗談でこんなこと言わないよ?』




彼の目を見ながら赤くなる頬を感じて視線を下に向ける




「もう我慢できない」と一言言うと唇に柔らかいものがあたり一瞬目を見開く




彼は目を瞑っていて恥ずかしくなり私もギュッと目を瞑る




2回当たると柔らかい暖かな感触は離されて少しの名残惜しさと、まだ唇に感触が残っていて唇が熱くなる




私は恥ずかしくて彼をちらっと見る




彼は太陽みたいな優しい笑顔を私に向ける




その笑顔にやられて両手で彼の顔を押し付ける




「どうした?」



また胸の鼓動が止まらなくて




彼の手が私の手に重なり剥がされ私の真っ赤な顔が彼に丸見えで恥ずかしくて俯くと




彼がまた近づき目をぎゅっと瞑るとほっぺたにちゅっと軽く柔らかいものが触れると一瞬で離され




目を開けると



彼はまた微笑む



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