棗ちゃんはステキな恋がしたい


「……素敵な恋?」

「はい」



だから、こんな一方的な結婚はお断り。



「君も僕と同じ境遇――アンダーグラウンドな世界に生まれた人間だ」

「理想があって、いいじゃないですか」

「その相手が洲崎一斗?」


……!


どうして一斗のことまで知って……



「見たくなかった。君が他の男とデートするところなんて」



疑いようのないストーカーさん。

それも重症っぽい……!



「写真でしか、わたしのこと知らなかったんですよね」

「……ああ」

「だったらイメージと違ったんじゃないです?」



ミツルさんを、じっと見つめてみる。



「自分で言うのもなんですが。わたし、喋るとガキ……って言われますし」

「見るな」

「え?」

「か……可愛すぎて。死ぬ」


< 240 / 350 >

この作品をシェア

pagetop