棗ちゃんはステキな恋がしたい


ひとつ、大きな謎がある。


一斗とミツルさんじゃ学年がちがうのに、なにをどんな風に競うんだろう。



「おはよ~」

「頑張ろうね!」



教室につくと、クラスメイトたちはクラスカラーである青色のハチマキを巻いていた。



応援団をする人はそれぞれに手作りの衣装まで準備している。



「あっ。仮屋さん、おはよう!」

「おはよう」

「今日は頑張ろうね」



じーんと胸が熱くなる。

クラスの子から挨拶をしてもらえて、挨拶を返すことができた。



諦めなくてよかった。


わたし、ふつうの生活送れてる。


今とっても充実してる……!



「洲崎くん来るかな」

「え?」

「仮屋さん、なにか聞いてない?」

「……なにも」

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