棗ちゃんはステキな恋がしたい
一斗の鞄――学校指定でない黒のリュックの中を確認していく。
イヤホン、黒い皮の財布
それから
なにか、四角い箱。
瞬時にそれがなにか理解できない。
「……え」
――――タバコ。
「やばくない?」
「やっぱりウワサ……ほんとだったんだ」
なんで。
吸わないって、言ったのに。
嘘……ついたの?
「なにしてる」
先生が教室に入ってくる。
「ちょ。まずいって」
ギャルの子がわたしからタバコを奪うと自分のポケットにそれを入れる。
その光景を黙ってみていることしかできない。