気怠いお隣さんと恋始めます!

壊せない壁

「…で、ベランダの君とは相変わらずなの?」

「…うん、相変わらず、ほぼ毎日ベランダで逢瀬を繰り返しております…」

お昼休み、同期で入社以来仲の良い加瀬 真帆(カセ マホ)と会社近くの和食カフェにランチに来ている所。

粒の立ったお米をふんわりと握ったおにぎりとお漬物、日替わりの副菜とお味噌汁がバランスよくお盆に並んだ定食が私と真帆のお気に入りで、週に何回かはここでランチを食べている。
今日の副菜はきんぴらごぼうだ。

真帆はイチさんのことをベランダの君と呼ぶ。
おにぎりに齧り付きながら、

「…初めての逢瀬からもう1年近く経つっていうのにまだそれ?どっちも一人暮らしのいい大人なんだから、早く部屋に引きずり込んじゃいなさいよ」

えげつないセリフを吐いてくれる。

「…真帆さん…」
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